大学受験を塾に頼らず、自分の力で挑戦する人も珍しくはありません。しかし、独学での受験は想像以上に容易ではありません。それでは、大学受験を独学でチャレンジするには、どのようなポイントに注意すればよいのでしょうか。そこで今回は、大学受験を独学で行う際の注意点を解説します。
また、記事内では独学のメリットや独学に向いている人の特徴まで紹介します。本記事を読めば、自分がどちらの学習スタイルに適しているかが理解できるでしょう。
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大学受験は、独学での対策も不可能ではありません。自己管理能力や学習意欲が低下しない人なら、独学こそ効果的な学習方法といえるでしょう。しかし、独学での受験対策には限界があることも理解しておく必要があります。
なぜなら、塾や予備校は受験に特化した授業が受けられる、授業以外のサポートが受けられる、そしてモチベーションの低下が防げるなど、多くのメリットが存在するためです。ただし、塾や予備校にもデメリットも存在します。
デメリットの主となる項目は、費用面と移動時間です。家計が厳しい場合や通学に時間がかかるエリアに住んでいる場合、金銭面と拘束時間は大きな負担となるでしょう。以上のことから、大学受験を独学で対策することが、すべての受験生にとって最善の選択とは限りません。
大学受験を独学で行う場合、さまざまなメリットがあるのをご存じでしょうか。ここでは、独学で学習する具体的なメリットを紹介します。
塾や予備校は学習時間や場所など、一定の制約に従う必要があります。たとえば、早朝や夜間に授業がある場合は、時間に合わせた生活スタイルに変更しなければなりません。こうした制約は、生活リズムの乱れや学習意欲の低下につながります。
しかし、独学では自由に学習する場所やペースが選べます。気分が乗らないときは、自宅ではなくカフェに移動しての学びも可能です。さらに、自分のペースで進められるため、科目ごとの理解度や進捗に合わせた調整もできます。
このように、独学は自己管理能力が高い人、または学習リズムを自身でコントロールしたい人には効果的な学習方法といえるでしょう。
独学の大きなメリットは、学習方法や時間配分を自分自身で決定できる点です。例をあげると、教材だけを使用した勉強法より、オンライン学習のほうが理解度は高いと感じた場合、オンライン学習を中心としたスタイルに変更もできます。また、自分の生活スタイルに合わせた時間設定をすることで、集中的に学べる環境が整えられるでしょう。
しかし、自由度を最大限に活用した学習方法と時間配分を遂行するには、高い自己管理能力が求められます。自分自身で学習計画を作成し、それを一貫して守るといった自己責任が必要な点は理解しておきましょう。
大学受験を独学で行う最大のメリットは、塾や予備校の費用がかからない点です。有名な進学塾の場合、入会費と毎月支払う月謝で何十万円もの費用がかかります。こうした塾や予備校への費用は、ほとんどの家庭にとって大きな負担といえます。
しかし、独学を選択した場合の費用は参考書の購入費など、学習に必要な最低限のものだけです。そのほかの費用がほとんどかからないため、家計が厳しい状況下でも大学受験に向けた準備が可能です。とくに、家庭環境の影響で塾にかかる費用捻出が難しい人にとって、独学での受験対策は大きなメリットとなるでしょう。
大学受験を独学でする場合、メリットだけでなくデメリットも理解しなければなりません。ここでは独学のデメリットを紹介します。
塾や予備校に行く場合、入会費や月謝がかかるため「通学しなければ」といった強制力が働きます。この強制力は、学習意欲をキープする重要な要素といえます。しかし、独学には残念ながら「強制力」は存在しないため、自分自身が主体的に学習を継続しなければなりません。
しかし、学習内容が難解だったり、友人からの誘いがあったりすると、学習を先延ばしにしたくなるものです。こうした状況で自分自身をコントロールし、計画に沿って学習を進めるのは簡単ではありません。そのため、サボり癖のある人や気分の浮き沈みが激しい人には、独学は不向きといえるでしょう。
塾や予備校に在籍している講師は長年大学受験に携わっており、大学受験の傾向やトレンドを熟知しています。そのため、講師から得られる情報は試験対策において大変貴重です。しかし、独学の場合は講師とのコミュニティがないため、自ら情報収集をしなければなりません。
一例として、インターネットでの検索やほかの受験生との情報交換などが必要です。こうした情報収集は勉強に費やすべき時間から削られるため、限られた時間しかない受験生には大きなデメリットといえるでしょう。
大学受験の勉強は長期間にわたるため、一定のペースで学習を進めなければなりません。しかし、長期的に計画性を持って学習するのはとても困難です。それゆえ、自己管理が苦手な人や、計画性がない人には独学は適していないかもしれません。
反面、塾や予備校では専門的な講師がいるため、自分ひとりで学習を進めるよりも効率的に学習進行が可能です。この点が独学と塾との大きな違いといえるでしょう。
大学受験を独学で対策できる人は、どのような特徴を持っているのでしょうか。以下で詳しく紹介します。
一定レベルの学力を有している人は、塾や予備校を利用しなくても自分で学習計画を管理し、得意不得意を改善する能力があります。
自分が集中しやすい学習時間や、環境が整っている人も独学に向いています。自宅や図書館、カフェなど、自分に合った学習環境を自由に選べるため、生活リズムに合わせた学習スケジュールが作成できます。
自分自身で学習計画を作成し、計画性を持って取り組める人も独学に向いています。独学には、自己管理は欠かせない要素といえます。
身近で大学受験に精通しているアドバイザーがいれば、学習計画の見直しや学習法のアドバイス、モチベーションのキープなど多方面でのサポートが期待できます。アドバイザーの具体例としては、以前に大学受験を経験している先輩や塾の講師をしている友人などです。
このような人たちが身近にいれば、わからない点や不安な部分に対し、適切なアドバイスを提供してくれるでしょう。
大学受験を独学でする場合、意識するポイントがいくつかあります。ここでは、独学をスタートする際のポイントを紹介します。
塾や予備校の場合、自分の学力レベルに合わせたクラス編成により、学力に適した指導が受けられます。しかし、独学ではそのようなサポートはありません。自分自身で弱点や学力レベルを把握し、それに基づいた学習計画を立てる必要があります。
自己評価が正確であればあるほど、効率的に学習を進められるため、自分自身を客観的に確認するのは重要なポイントです。
独学で大学受験を行う場合、定期的な模試は必要不可欠です。模試は自分の学力レベルを理解するための有効な手段です。模試の結果をみれば、自分の弱点や得意分野など、さまざまな観点から自己評価ができます。
これにより、学習計画の見直しや対策といった具体的な学習戦略が立てられます。なお、模試で間違えた問題を特定し、復習専用ノートを作成するのも独学にはおすすめです。このように、模試を定期的に受けることは学力向上だけでなく、自身の学習状況の把握や試験への対策など、多くのメリットをもたらします。
大学受験は、1年にわたる長期戦です。長期戦を戦い抜くには、学習スケジュールの作成が重要です。スケジュールが曖昧だとモチベーションや学力低下につながり、最終的には試験の成績に悪影響をおよぼすかもしれません。
具体的な学習スケジュールの立て方として、まず学習目標の設定からスタートしましょう。目標が決まり次第、目標達成に向けた学習時間と学習方法を詳細に計画します。なお、途中で計画の進捗確認や修正も必要ですが、基本的には立てたスケジュールを守ることが大切です。
独学では参考書が講師の代わりとなるため、選ぶ教材によって学習効率が大きく変わります。そのため、志望校の出題傾向や学力レベルに適した参考書の選択が必要です。また、苦手な分野については、わかりやすく解説している参考書がおすすめです。
図解や例題が豊富な参考書、解説が丁寧な参考書は苦手分野でも理解がしやすいため、苦手を克服する「きっかけ」になるかもしれません。以上のように、志望校に適した参考書選びは、独学での大学受験対策において重要なポイントといえます。
本記事では、大学受験と独学について詳しく解説しました。記事のなかでは、独学のメリットやデメリット、そして注意点にも触れています。独学は自分自身で学習計画を立て、自己管理を行わなければなりません。
ただし、塾や予備校と違い、費用負担が少なく自由な学習環境を整えられるメリットもあります。独学はメリットもデメリットも存在しますが、計画的な学習とモチベーション維持は必要不可欠です。独学を検討中の人は今回の記事を参考に、自分自身が独学に向いているかを判断するとよいでしょう。